2011年11月7日月曜日

ケーニン、ヒッポを行く(第3章)





← 高校生たちに囲まれて、
いろんなことばを歌うヒデくん。
ワークショップにて。


息子の幼稚園に韓国から来日している子が入園してきました。
お母さんは、韓国語と英語だけで日本語は話せないようです。
初めて身近にそんな人が現れ、嬉しくなった私は
「少しなら韓国語話せますよ、友だちになりたいな」という気持ちを伝えたくなりました。
でも「韓国語が少し話せます」という韓国語が思い当たらず、
少し躊躇したものの、勢いで自己紹介を韓国語でやってみました。

しかも自己紹介が終わっちゃうと、他の韓国語が出てこない・・・。
英語にして話してみたら、とても喜んでくれて、
それからだんだんとことばを交わすようになりました。

その入園初日の帰りのこと。
お母さんがお迎えの時間を間違えて、
こどもが一人取り残されるというハプニングがありました。
何となく気になった私と息子は、彼のお母さんが来るまで一緒に待っていることに。
不安で淋しそうなその子をなんとか笑顔にしたいと思って、
知ってる韓国語を頭の中から手繰り寄せた時
「カイバイボ(韓国のじゃんけん)」と口から出てきました。

言った瞬間、彼は驚いて、次に笑ってくれたのです。
ことばのわからない異国の幼稚園での初日、不安と疲れと心細さの中、
どんなに嬉しかったか想像すると、
韓国語のどんなことばより「カイバイボ」を知っててよかった!と思いました。
幼稚園では、ほかの子にとって韓国語は知らないことばですが、
うちの息子にとっては知ってることば。
ただそれだけのことですが、それだけで接し方が違ってくるのだそうです。
ほかの園児たちにとっては、知らないことは怖れとなって彼を疎外するらしいのですが、
先生から「ヒデくんだけは仲間はずれをしないし、優しく接している」と言われたのです。
息子は、韓国語というものがあって、
それを話す人もいるということを知っていただけ・・・。
でも知っていることって本当に大切だなと実感しました。

息子は、その韓国の子の家に遊びに行くと、当たり前だけど、そこは全員韓国の人たち。
私が一緒だと気を使って、英語や片言の日本語を使ってくれるけど、
息子が一人で遊びに行くと、丸っきりの韓国語らしい。
たくさんの韓国語を浴びて帰ってくると息子からも自然と韓国語がこぼれてきます。
「あっぱとおんまと・・・」と言うので、
私が「あっぱいっそ?おんまいっそ?」と聞くと、
次にはもう意味もわかっているふうに自分で使っているから驚きます。
そんなやり取りを聞く周りのママ友たちからは驚愕の声!

そして、その韓国の友だちとバイバイする時、なぜか息子は「See you tomorrow!」
息子は、これも韓国語だと思っている様子。いつ気がつくのか、ちょっと楽しみです。
(続く)

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