こどもが話し始めるようになり、何年かすると文字を書くようになりますよね。
このあいだ、昔あなたの息子は面白かったねと言われて思い出したのですが、
「きぬえちゃん」という人を大好きになった息子(当時、3~4歳だったか?)は、
「きぬえちゃん、きぬえちゃん」と言いながら、
何回も紙に、覚えたばかりのひらがなで名前を書いていました。
見ると、紙には「きねうちゃん、きねうちゃん、きねうちゃん・・・」と。
その時に初めて、私も、そして「きぬえちゃん」本人も、
「きねうちゃん」って呼ばれていたことがわかったのです。
もしかしたら、きねうちゃんでも、きぬえちゃんでもない音だったかもしれないけど、
息子は頭をフルに使って、一番近い文字に、音をはめ込んだのかもしれません。
こうやって、音が着地するというか、日本語っぽい型に
はまっていくのかな~とぼんやり思ったものでした。
その息子がある日、私に
「ねえ、ヒロシはいいなー。上から読んでもヒロシ、下から読んでもヒロシだ」と
次男の名前のことを羨ましがったのです。
上から読んでも下から読んでもヒロシって・・・?と怪訝な顔の私に長男は
「ほら~っ」と、次男の名前を書いて持ってきたのです。そこには大きく「しろし」とありました。
長男は、次男が生まれてからずっと、弟のことを「しろし」と呼んでいたことが判明。
ずっと「しろし」って呼んでいてほしかったな~と、
わかってから残念がる親でした。
だいたいの音の中で、ふわふわと漂っていた息子が
文字という音の箱を手に入れたとたん、日本語のピントのようなものがくっきりしてしまい
世の中一般的には、喜ばしいことですが、
なんだかちょっと淋しく思ったことを思い出しました。
そんな息子も今は高校生ですが、昨年、YLで行ったフランスでは
きっと、また同じようなことをしていたんでしょうね。
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