2012年8月27日月曜日

Year Long番外編≪イタリアその1≫ 【ヒッポファミリークラブ広報室ブログ】

2011年度のヒッポファミリークラブの高校留学でイタリアへ行ってきた平澤杏佳さんのエッセイを紹介します。
杏佳さんのパネットーネへの愛が感じられますね~。
 
 
 
クリスマスの出逢い
 イタリアとえばパスタやピザなど食でよく知られるけれど、Natale(クリスマス)に食べられるお菓子はあまり知られていない。それはパネットーネといい私を散々苦しめた張本人である。
 大体クリスマスの1ヶ月くらい前になると店先に顔を出す。お菓子というより甘いパンに近い。中にレーズンやドライフルーツが入っているのが基本だけどメーカーによっては上にアーモンドや砂糖がのっている。なかには変わったパネットーネにも出会った家の近くの超おいしいパン屋のオリジナルで、1つは砂糖煮した梨とチョコが、もう1つはマロングラッセがレーズンの代わりに入っていて、まあ、これは特別。格別においしい!

ある日マンマが大きな箱をぶらさげて帰ってきて「イタリアのクリスマスはね、これを食べるんだよ」と言いながらパネットーネを家族みんなに切り分けてくれた。ふわふわしていて味はシンプルでおいしい。
その後、パパとマンマの友だちからクリスマスプレゼントとしてもパネットーネをもらい、家にまだあるというのに、買い物に行くとパパがまた買ってきたりして、気付くと家の中のパネットーネは、すごく増えていた。
そうなると頻繁にヤツと顔を合わすようになる。イタリアの朝ごはんは主にクッキーを食べるのだけどパネットーネがその隣に並んだり、夕飯のデザートにもでてきたり。もちろんおいしいから最初は食べるけどさすがに1日2回食べた時や食糧庫に何箱か食べられるのを黙って待っているのを見るとげんなりする。マンマも毎日にならないようたまに切ってくれるのだけどなんせ大きいから一度箱を開けると2,3食は食べないと1つ分は終わらない。
 
 
 でもヤツらの活躍の場は家だけじゃない。クリスマス休暇最後の学校はお菓子やジュースを食べながらパーティーをするのだけどそこでも食べた。マンマとホストと行っていたプールでもクリスマスパーティーがあってそこにもパンドーロ(クリスマスのパン菓子)と一緒にいた。友だちの家に遊びに行くとおやつにでてきた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 やっとクリスマスもおわり大晦日、友だちの家に泊まらせてもらった時、イタリアでは年越しそばの代わりに何を食べるのかな、とドキドキしながら12時を待っていたらシャンパンを開け始めた。おしゃれ~と思っていたらそこで予想もしていなかったことが!友だちのお母さんがなんとパネットーネを持ってきた!家にはまだ3箱くらいあって、でもさすがにパネットーネもシーズンが終わっただろうとたかをくくっていた矢先だったからショックは大きい。そうか、正月ってこっちだとクリスマスのおまけだからまだあなた、いるのね・・・。断れないから食べたけど。結局2月が終わっても、パネットーネは2箱くらい家に残っていた。
 
 
 
 そして復活祭コロンバという鳩をかたどった(結局はパネットーネと同じ中身の)パン菓子が出てきたのにはびっくりした。姿を変えてまだ私の前に現れるのか、と思った。
 イタリアで嫌と言う程食べてうんざりしていたけれど、帰国した今、ふとした瞬間にアイツのことを思い出して恋しくなる。そんな私はパネットーネの魔力にかかってしまった一人なのかな?
 

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