2012年2月22日水曜日

全ての人間に可能性!~メキシコ交流で見つけたこと


お孫さんと一緒にメキシコ交流に参加した 井内わかさん(西東京市在住/フェロウ)より

 昨夏のメキシコ家族交流は1歳~70歳の老若男女が入り混じった、まさにヘテロ(異質なものが混じる)なGroupでした。私は孫の春菜(小4)と一緒に参加。そして、私にとって一番のオドロキは彼女の”振る舞い”でした。
 ホストファミリーは、パパのウラジミール、ママのナンシー、8歳の息子ガンジー。他にも、2人のおばあちゃんと1人のおじいちゃんも一緒に住んでいました。ヒッポを始めて1年のこの家族。車の中でも、家の中でもヒッポのCDが流れてきて、まるで日本の我が家みたい。
 春菜は、紙風船や竹とんぼでガンジーやパパと遊び、台所のママの所へ行って何やら日本語で話しかけてみるのだけど、ママはまだまだ日本語が分からないので、スペイン語で見当を付けて応えている様子。そのうち2人の大きな笑い声と共に、トロロイモのようなスペイン語を話している春菜の声が聞こえてきた。ズルズルしていてハッキリは分からないけど、プエド アユダ~~ルテ?とか言っている。こんな言い方ではママには分からないだろうと思っていると、「テネド~ル ポルファボ~ル!」と言う声が聞こえ、フォークを並べている。WoW!
家族になっていくのには、どうであれ、ズバッと相手の懐に飛び込んでしまうことなんだ!と、春菜を通して改めてわかります。


 そんな体験の後、3泊4日の合宿に入りました。200人近い人たちがメキシコ中から集まって、日本からの仲間たちとも再会してのHippoです。合宿も終わりに近づいた時、メヒコのメンバーから春菜のことを「彼女のスペイン語すごいよ!全くのメヒカーナ!その上、彼女は僕たちの日本語の先生!」と言われて、私はビックリ仰天です。彼女の言動を観察していると、沢山の人の中で、どんどん日本語で話しかけている。メキシコの人が日本語で返すと、「その日本語、チョットヘンだから、こう言うといいよ!」と訂正しながらケラケラお互いに笑い合っている!相手がスペイン語でまくし立てると、全身を耳にしてじっと聞いていたかと思うと、相手のスペイン語をトロロイモのようにマネッコをしながら、シーとかノーとか、バモノス!とか言って、通じ合っている!えっ!?これってメタ活?いつも私たちがヒッポの場でやっていること?これがネイテイヴ?
 昨春、ボストンでアメリカのヒッポが主催したMITのチョムスキー教授の講演会に参加して以来、人間なら誰もが生まれつき、どんなことばもできるという普遍文法を持っている。マネは真似でなく、れっきとしたオリジナルな自分のことば!自分の中にあることばの弦を響かせていけば、それだけで誰もがことばができる!という話が、私の目の前の春菜の姿と重なりました。
 

 春菜は0歳から保育園なので、家で多言語のCDを聞いている時間も短いし、ファミリー活動の時もつい最近まで走りまくって遊んでいることの多い子でした。ただ、ヒッポのその場にいることが好きな子です。8月のメキシコから帰国後、報告の紙芝居を作って、いつもファミリーでやるのですが、どういうわけか、日本語での報告ばかり。でも10月末の交流報告ワークショップをきっかけに、一夜にして見事なスペイン語に変身していて、アッと驚きました。
 こういう春菜のことばの振る舞いを見ていて、いつも榊原さんが言っていることばを思い出すのです。
”自然なことは、誰にでも起こる”~子どもには特別な子はいないよ!ある子に見えた可能性は、全ての子が持った可能性であって、これが、環境の中で花開いたり、蕾で終わったりするんだね!~
Hippoで”教える活動”から”楽しい公園でことばを見つける活動”への転換をして30年以上。まだまだこれからが本番です。



交流報告ワークショップでの春菜ちゃんの
スペイン語がここから動画で見ることができます!
(6分30秒あたりから春菜ちゃんが話します)
↑ クリックしてね!

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